米Apple Computerは米国時間4月18日に,モーション・グラフィックス制作ソフトウエア「Motion」,合成および視覚効果ソフトウエアの新版「Shake 3.5」,フィルム編集ソフトウエアの新版「Final Cut Pro HD」を,ラスベガスで開催中の放送業界向け展示会「National Association of Broadcasters(NAB)」で発表した。

 Motionは,テキスト,画像,映像のインタラクティブなアニメーション機能,複数のフィルタやエフェクトを適用した際の即時プレビュー機能,文字や画像に自然な動きを与える「Behaviors」機能などを備える。Behaviorsでは,複雑なキーフレームを使用することなく,オブジェクト間の引力や反発,重力や風を感じさせる精巧な動きを追加することが可能。また,高度な粒子エンジンにより,煙,閃光,炎などのプリセットを素速く簡単にアニメーションに加えることができる。

 Shakeの新版では,新たにシェイプ・ベースのモーフおよびワープ機能を備える。業界標準のスプライン・ツールを採用しており,「従来のメッシュ・ベースのワープ・ツールより直感的なエフェクトの作成と修正が可能」(Apple社)。また,ネットワーク・レンダリング管理ソフトウエア「Shake Qmaster」の強化により,クラスタ構成の「Xserve G5」や「Power Mac G5」の処理能力を最大限に活用する。

 Final Cut Pro HDは,DVとSDのリアルタイム・サポートに加え,DVCPRO HDをネイティブでリアルタイム処理可能。ネイティブのDVCPRO HDビデオ・ストリームを最大4本,Xserve RAIDを使用すると最大10本をプレビュー品質で再生できる。また「Digital Cinema Desktop」機能により,SDおよびHD映像を直接「Apple Cinema Display」で表示することが可能。主要なプロ仕様のフォーマットに出力できるほか,DVD,インターネット,第3世代(3G)デバイス用にMPEG-2,MPEG-4,QuickTimeファイルをエンコードできる。

 Motionは,Apple社のオンライン・ストア,直販店,認定販売店を通じて,今夏より販売を開始する。価格は299ドル。

 Shake 3.5はApple社の認定販売店などを通じて,Mac OS X版,Linux版およびIRIX版が直ちに購入可能。Mac OS X版は2999ドルで,ライセンス数無制限のネットワーク・レンダリング・ライセンスが含まれる。Linux版,IRIX版は4999ドルで,年間メンテナンス料は1499ドル。「Shake 3」の登録ユーザーは,799ドルでアップグレード可能。

 Final Cut Pro HDは,「Final Cut Pro 4」の登録ユーザー向けに,ただちに利用可能にする。小売りパッケージの価格は999ドルで,Apple社のオンラインストアおよび認定販売店で予約注文を受ける。 「Final Cut Pro 1」「同2」「同3」のユーザーには,アップグレード版を399ドルで提供する。

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