米EMCは2004年第1四半期決算を米国時間4月15日,発表した。売上高は18億7000万ドルで,前年同期の13億8000万ドルと比べ35%増となった。純利益は1億4000万ドル(希薄化後の1株当たり利益は6セント)で,前年同期の純利益3500万ドル(同2セント)から4倍に増加した。なお,1株当たり利益の6セントには,2004年1月8日に買収手続きが完了した米VMwareの買収関連費用とリストラ関連費用1セントが含まれている。

 EMC社社長兼CEOのJoe Tucci氏は,「第1四半期は,売上高の成長率が過去3年間で最も高かったが,買収した3社の売上高を含めなくても好業績を達成している。大手IT企業のなかでも突出した急成長を遂げているのは,コスト効率の高い方法で情報資産を保護できる当社製品を,世界各地のユーザーが支持していることにほかならない」と述べた。

 海外における売上高が総売上高で占める割合は43%で,前年同期と比べ6ポイント増加した。欧州,アジア,中南米に継続的に投資したことが奏功した。

 各事業部門の売上高は,安定した2ケタ成長をみせた。情報ストレージ・システム部門の売上高は前年同期比19%増。ソフトウエア製品「DatabaseXtender」などを含む,情報ストレージ・ソフトウエア部門の売上高は同26%増となった。サービス部門による売上高は同23%増。情報ライフサイクル管理サービスと,ソフトウエアの保守整備の需要拡大がけん引した。

 EMC社は2003年後半以降に米国のソフトウエア会社,Documentum社,LEGATO Software社,VMware社を買収しているが,これら部門の業績も好調だった。3部門を合わせた売上高は前年同期に比べ30%以上増えた。

 EMC社は今後の見通しについても明らかにした。詳細は以下の通り。
・第2四半期の売上高は19億5000万ドル~19億7500万ドルの範囲。希薄化後の1株当たり利益は8セント
・2004年通期の粗利率は50%以上
・2004年通期に,販売費および一般管理費が売上高で占める割合は26~29%
・2004年通期に,研究開発費が売上高で占める割合は11~12%
・第4四半期に,営業利益が売上高で占める割合は15%前後

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