米Texas Instruments(TI)は米国時間4月14日,2004年第1四半期の決算を発表した。売上高は29億3600万ドルで,前期比6%増,前年同期比34%増。好調な半導体事業がけん引した。純利益は3億6700万ドル(1株当たり利益は21セント)で,前年同期の純利益1億1700万ドル(同7セント)から大幅な増益となった。

 Semiconductor部門の売上高は,前期比5%増,前年同期比38%増。画像投影技術向けDLP(Digital Light Processing)製品や高性能アナログ製品をはじめ,広範な製品分野で半導体の需要が好調だった。無線市場における売上高は,同社の高性能製品の需要が拡大し,前年同期比35%増。「季節的に需要が落ち込む時期であり,大口顧客からの需要が低かったにも関わらず,売上高が半導体分野に次いで多かった」(同社)という。また,高性能アナログ製品市場の売上高は前年同期比58%増となった。

 営業利益は4億7400万ドルで,売上高の16.2%を占めた。粗利益の増加により,前期と比べ3600万ドル,前年同期と比べ3億2100万ドル増加し,研究開発費と販売費および一般管理費の増加を相殺する格好となった。

 当期の受注額は32億3100万ドルで,前期比5%増,前年同期比41%増。Semiconductor部門,Educational & Productivity Solutions(E&PS)部門,Sensors & Controls部門の伸びが後押しした。そのうち半導体の受注額は28億1000万ドルで,前期比2%増,前年同期比47%増となった。またB/Bレシオ(出荷額に対する受注額の割合)は1.09。

 TI社会長兼社長兼CEOのTom Engibous氏は,「Semiconductor部門の売上高の成長は,当社の製品と顧客層が広範にわたること示すものだ。ほとんどの製品ラインとエンド・ユーザー市場で出荷数が好調だったが,とりわけ高性能アナログ製品とDLP製品が当社の成長の原動力となっている」と説明した。「また無線市場における成長は,スマートフォンや第3世代(3G)携帯電話をマルチメディア対応にする,当社のOMAPアプリケーション・プロセサに負うところが大きい」(同氏)

 なお,TI社は第2四半期業績に関して,次のように予測している。売上高は30億8500万~33億2500万ドル,1株当たり利益は23~26セントの範囲内。各部門の売上高については,Semiconductor部門が26億5000万~28億5000万ドル,Sensors & Controls部門が2億8000万~3億ドル,E&PS部門が1億6000万~1億8000万ドルになるとみる。

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