米Verizon Communicationsは,米国内のブロードバンド・ネットワークの配備が完了したことを米国時間4月14日に発表した。同社は,大規模な企業,政府,教育機関の顧客向けに4月中にデータと音声サービスの提供を開始する予定。

 新しいネットワークは,IPバックボーンとして同社の都市型と地域ネットワークを接続するとともに,これらを拡張する。同社は,米国の主要都市エリアにおいて,長さにしておよそ1561万600キロのファイバを配備している。

 同IPバックボーンは,共通のネットワーク・インフラを介して音声,ビデオ,データの通信をサポートする。また,フレーム・リレー,非同期転送モード(ATM),透過型LANサービス(TLS)を含む幅広いローカル・ネットワークへのアクセス技術を提供する。MPLS(multiprotocol label switching)と呼ばれる技術を利用しているため,顧客は新しい機器を購入する必要なく既存の通信システムを使ってより高度なサービスを利用できるようになる。

 同社は,新しいネットワークとサービス,また対応するアプリケーションにより,1000億ドル規模の米国の企業向けサービス市場において,売上高が大幅に増加することを見込んでいる。

 同社は,この先30日以内に,IP-VPN(仮想閉域網),TLSといった全国的なサービスの提供を予定している。IP-VPNは,同年中に提供を計画している企業向けVoIPサービスの基盤となる。新しいサービスでは,QoS(帯域保証),エンド・ツー・エンドの管理,サービス・レベル保証が提供される。

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