米MX Logicは米国時間4月13日に,スパム・メールに関する調査結果を発表した。それによると,2003年に送信されたスパム・メールの約50%に,送信先のアドレスが有効であることを確認するためのHTMLコードが組み込まれていたという。

 「Webバグ」あるいは「スパム・ビーコン」と呼ばれるこのようなHTMLコードは,従来Webマーケティング企業が,ページ・ビューの計測やWebユーザーの行動追跡を目的に使用していた。スパム・ビーコンを組み込んだスパム・メールを受信者が開いたり閲覧すると,電子メール・アドレスを確認する信号がスパム発信者に送り返される仕組みである。

 「多数のユーザーは,いつ電子メールを閲覧したり開いたりしたかをスパム業者が追跡できることに気づいていない。今回の調査で,スパム・メールのほぼ2通に1通がスパム・ビーコンを含んでいることが明らかになった。これは,スパム業者がエンド・ユーザーのプライバシを侵害し,電子メール・アドレスを盗み取ろうとしている事実を示すものだ」(MX Logic社CTOのScott Chasin氏)

 ちなみに米Yankee Groupの調査によると,望まない広告メールが企業にもたらす被害額は年間で40億ドル以上にのぼるという。スパム・メールは生産性を低下させ,資産を浪費し,企業に損失と脅威を与える。MX Logic社は「過去1年間でスパム・メールは67%増加した」と警告している。

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