米IDCは,サービス業界の世界市場に関する調査結果を米国時間4月13日に発表した。それによると,大手サービス・ベンダー30社を合計した2003年の売上高は2092億ドルにのぼり,前年と比べて10.9%増の2ケタ成長となった。

 分野別では,アウトソーシングが前年比17.9%増収し,最も急速に成長した。コンサルティングやシステム統合を含むプロジェクト・ベースのサービスがそのあおりを受け,前年比7.2%増にとどまった。

 売上高が最も伸びたベンダーは米Northrop Grummanで,前年比76%増加。そのほか,カナダのCGI Groupが同44%増,米Dell Serviceが同28%増,ドイツのDeutsche Telekom(T-Systems)は同25%増だった。

 2003年第4四半期における30社の売上高合計は547億ドルで,前期と比べて5.5%増,前年同期と比べて9.7%増加した。地域別にみた場合,アジア/太平洋地域が前期同期比約13%増となり,米大陸は同10%増,欧州/中東/アフリカ(EMEA)は同4%増だった。

 「サービス・ベンダーの売上高は,ドル安と企業買収の増加で支えられているものの,市場そのものは上昇基調にある。大手サービス・ベンダー10社が昨年締結した契約は1450億ドル以上に達しており,前年と比べて19%成長した」(同社Worldwide Servicesシニア・リサーチ・アナリストのAlex Motsenigos氏)

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