米Microsoftと米Micro Focus Internationalは,メインフレーム・システムからMicrosoft Windowsベースの環境への移行を支援する取り組みで協力する。両社が米国時間4月8日に明らかにしたもの。「古くなったメインフレーム環境の維持/更新にかかっている高いコストを減らすことが目的」(両社)とする。
両社の取り組みは,アプリケーションの動作基盤をメインフレームからIntelアーキテクチャとWindows Serverプラットフォームの環境に移す技術を利用する。旧式のメインフレーム資産をより新しく安いプラットフォームに換えることで,時間と経費の節約になるという。「IT業務を(使用しているメインフレームと)同じクラスのWindowsプラットフォーム上に移行すると,コストを最大50%削減できる。さらに,処理性能が向上したという例もあり,大きな追加投資をしなくても重要な業務プロセスが改善する」(両社)
「Micro Focus Enterprise Server」と同製品用の「Mainframe Transaction Option」を組み合わせると,メインフレームのCICS/COBOLアプリケーションをWindowsプラットフォーム上で動かせるようになる。「Windows環境に移してしまえば,.NET Framework,SQL Server 2000,XML,Webサービスを使ってより容易かつ効果的にアプリケーションを拡張できる」(両社)
米メディアの報道(CNET News.com)によると,ルイジアナ州にあるチュレーン大学は米IBM製メインフレーム上で動作していたアプリケーションを既に1つWindows環境に移行しており,年間24万ドル節約できる見込みという。「移行作業は“完全にシームレス”ではなかったが,比較的簡単に済んだ。今後2年間かけメインフレーム用の全アプリケーションをWindows/Unixサーバーに移すことで,ライセンス料を年間50万ドル減らせるだろう」(チュレーン大学CIOのJohn Lawson氏)
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