Web関連技術の標準化を進めるWorld Wide Web Consortium(W3C)は,「Document Object Model(DOM)Level 3 Core」と「同Load and Save」をW3C勧告(Recommendation)として公開した。W3Cが米国時間4月7日に明らかにしたもの。DOMは,文書の内容,構造,スタイルをアクセスしたり動的更新したりするための,プラットフォーム/言語非依存インタフェース仕様。

 DOM Level 3はXML 1.1に対応したほか,XML Schema 1.0やSOAP 1.2などで使用されるXML情報セットとの連携が可能になった。XML名前空間やスキーマ型情報にも対応し,Webサービス・アプリケーションやその他XMLアプケーション向けの重要な機能も提供するという。「たとえば,Webサイト上でWebサービスを提供する場合,サービスはWSDLで記述するのでWSDLプロセサが必要になる。しかしDOM Level 3で強化されたXML名前空間を使うと,プロセサで容易にWSDL記述を利用/操作できる」(W3C)

 DOMモジュールには,DOMアプリケーションがDOM APIアクセス用DOM実装を検出して読み込むために利用する「bootstrapping(ブートストラッピング)」と呼ぶ新しい機能も設けた。

 さらにW3Cは,DOM勧告への適合性を検証する試験スイート「DOM Conformance Test Suites」の新版も用意している。同スイートを使用すると,現在のLevel 1 Core,Level 2 Core,Level 2 HTMLに加え,Level 3 Core,Level 3 Load and Save,Level 3 Validationについても検証できる。

 DOM仕様の策定作業に参加した主な企業/組織は以下の通り。米America Online(AOL),米Apple,米Arbortext,米IBM,米Lucent Technologies,米Macromedia,米Merrill Lynch,米Microsoft,米国標準技術研究所(NIST),米Novell,Object Management Group(OMG),米Oracle,カナダSoftQuad Software,ドイツSoftware,米Sun Microsystems,Web3D Consortium,オランダX-Hive。

 なお,Core/Load and Save/Validationという3つのDOM Level 3仕様が勧告化されたことで,DOMに関するW3Cの作業は完了したという。

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