フィンランドのNokiaは現地時間4月6日に,2004年第1四半期の売上高が事前予測を下回る見通しを明らかにした。売上高は66億ユーロ(80億ドル)となる見込みで,前年同期と比べて2%の減少となる。これまでの予測は,前年同期比3~7%増だった。

 同社は下方修正の理由として,携帯電話グループおよびマルチメディア・グループの収入減少を挙げている。「販売台数の低下に加え,製品構成の主軸が下位機種に移ったことで,欧州およびアジアでの売上高が落ちている」(同社)。携帯電話の世界販売台数は2004年第1四半期に,25%以上増加すると見込まれるものの,Nokia社の販売台数は19%増にとどまる見通しだ。

 一方で,ネットワーク・グループの売上高は,事前予測である前年同期比16%増の14億ドルを大幅に上回り,エンタープライズ・ソリューション事業も事前予測をわずかに超える。

 2004年第1四半期の希薄化後の1株当たり利益は0.17ユーロの見込みで,事前予測の0.17~0.19ユーロの下限に達する。
 
 ちなみに,同社は2004年1月より,4グループ構成の新たな事業体制を敷いている。

 「新体制による長期的利益は手ごたえを感じつつあるが,短期的にみた場合,体制が確立するまでに多少手間取る」(Nokia社会長兼CEOのJorma Ollila氏)

 同社は2004年第1四半期の正式な決算報告を,第2四半期の見通しとあわせて4月16日に発表する予定。

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