米AMDは,数値演算ライブラリ「AMD Core Math Library(ACML)2.0」のリリースを米国時間4月5日に発表した。同製品は,AMD OpteronやAMD64プラットフォームに最適化されたソフトウェアの開発を支援する。バージョン1.5からBLAS(Basic Linear Algebra Subroutines)とFFT(Fast Fourier Transform)ルーチンのパフォーマンスを向上させている。

 ACMLは,同社が英Numerical Algorithms Group(NAG)と共同で開発したツール。コードの精度を引き上げて開発期間を短縮するとともに,32ビットのWindowsや32ビット/64ビットのLinuxオペレーティング・システム上で動作するx86アプリケーションの性能と機能を最大限にする。また,Windows向けソフトウエア開発者が64ビット・アプリケーションを開発するための基盤の構築を支援する。

 同製品は,数学,エンジニアリング,科学,金融アプリケーションを対象に,高度に最適化された演算機能で構成される。AMD Opteronプロセサ向けにLevel 1,2,3のBLASを実装する。パフォーマンスを高めるためにLAPACKルーチンがさらに最適化されている。また,シングル,ダブル,シングル・コンプレックス,ダブル・コンプレックスのデータタイプでFFTを提供している。ACML 2.0は,PGIコンパイラによってLinux開発向けにOpenMP,非OpenMPの両方をサポートする。

 ACML 2.0は,AMDの開発者向けサイト(www.developwithamd.com/acml)から無償で配付される。

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