香港のHutchison Global Communications(HGC)と韓国のKT(Korea Telecom)は,香港と韓国間で都市型光Ethernetを介して国境を挟んだVirtual Private LAN Service(VPLS)を提供する。米Juniper Networksが米国時間3月31日に発表した。国境を挟んで異なる通信事業者から提供される同サービスには,Juniper Networks社の通信事業者向けコア・ルータ「M-series」が採用される。同サービスは,2004年前半に提供開始の予定。

 同サービスは,IETFのVPLSに関するドラフト仕様「draft-ietf-l2vpn-vpls-bgp-01.txt」をベースにしている。ルーティング・プラットフォームとして採用されるM-seriesルーターのVPLS機能では,シグナリング・プロトコルとしてBGPを採用している。同サービスの都市型Ethernet LANの接続にも,通信事業者間のルーティングやポリシーの交換に広く利用されているBGPシグナルを採用する。

 また,同VPLSソリューションは,独立したサービス・プロバイダ間におけるInter-Autonomous Systems(Inter-AS)VPLS機能を提供する。そのため,地理的なサービス提供範囲が限られているサービス・プロバイダは,別のサービス・プロバイダと提携して都市間でVPLSサービスを提供できるようになる。エンド・ユーザーは,地理的に分散された企業施設において,マルチポイント・ツー・マルチポイント型のEthernet接続が容易に利用できるようになるという。

 「アジア太平洋地域のサービス・プロバイダは,都市型Ethernetを配備している。これらプロバイダは,Juniper Networks社のVPLSソリューションを通じて,複数都市にまたがって範囲を拡張したいと考えている。また,同じM-seriesプラットフォームを利用すれば,QoS,レイヤ3 VPNなどで付加サービスに対応することもできる」(Juniper Networks社 Asia Pacific部門担当副社長のAdam Judd氏)

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