米Microsoftは,ハンドヘルド機用OSの次期版「Windows CE 5.0」(開発コード名は「Macallan」)にVoIP機能を強化する。同社が米国時間3月31日に,カリフォルニア州で開催中の「Spring 2004 Voice on the Net(VON)Conference & Expo」で明らかにしたもの。

 Windows CE 5.0搭載機で複数の社員が参加する音声会議を開いたり,Exchange Serverと組み合わせて連絡先検索やスケジュール確認を行い,統合メッセージングをやりとりすることが可能。また,自動プロビジョニングや個人認証といった機能も備えているため,「装置管理にかかるIT部門の手間を軽減する」(Microsoft社)

 VoIP機能を強化したWindows CE 5.0により,「企業やネットワーク・サービス・プロバイダは魅力的なテレフォニ・サービスをユーザーに提供できる。既存のインフラに,精巧な通話機能とテレフォニ向けユーザー・インタフェースを組み込むことが可能。またOEMは,強化したコンポーネント化,統合的なコラボレーション機能,高度なアプリケーション・プログラミング・モデルおよびユーザー・インタフェースを用いて,開発期間を短縮することができる」(Microsoft社)としている。

 IP電話やVoIP装置の開発でWindows CE対応を表明した新たな装置メーカーには,韓国のAtrium C&I,Bast社,米Intermec Technologies,米Inter-Tel Integrated Systems,韓国のLG Electronics,ミカサ商事,NECインフロンティア,Netsys社,Reddline Systems社,RV Technology社,英Uptech,韓国のWooksung Electronics,中国のZTEなどが含まれる。米BCM Computers,カシオ計算機,日立製作所,韓国のSamsung Electronics,米Symbol Technologies,台湾のTatungなどのメーカーは,すでにWindows CE搭載の音声対応装置を手がけている。

 なお,Microsoft社はWindows CE 5.0の技術プレビュー・キットを,4月1日から同社Windows Embeddedサイトで配布する。最終版のリリースは今夏を予定している。

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