米Texas Instruments(TI)は,家庭向けDSLゲートウェイ向けに新しい2つの参照デザインを米国時間3月30日に発表した。新しい参照デザインは,VoIP機能とワイヤレスの家庭ネットワーキング機能を追加するもの。

 新しい参照デザインは,同社の統合型ワンチップDSLルータ・ソリューション「AR7」とその他のブロードバンド製品の技術を組み合わせている。これらのDSL,VoIP,WLAN技術は,共通のハードウエアとソフトウエア・アーキテクチャを持つプラットフォームが将来的にシステム・レベルで統合できるように設計されている。

 新しくAR7ファミリに加わるのは「AR7VWi」と「AR7V」。AR7と同社の802.11b/gプラットフォーム,音声DSP(デジタル信号処理)機能,音声処理ソフト「Telogy Software」を単一のシステムに統合することにより,家庭向けにコスト効率に優れたVoIP,WLANの提供が可能となる。

 AR7VWiは,VoIP,802.11b/gのワイヤレスの家庭ネットワーキング機能,DSL機能を単一のプラットフォームで提供する。同社の802.11b/g対応チップ「TNETW1230」を搭載するため,ユーザーは家庭内のどこからでも無線でブロードバンド接続が可能になる。同社が同年後半に発表を予定している802.11gのスループット強化と通信範囲を拡張する技術を搭載する。AR7Vは,DSLを介したVoIP機能を提供する。

 AR7VWiとAR7Vは,エコー消去機能,音声パケット再生ソフト,音声処理機能,音声検出,LBRコーデックを搭載している。マザーボード上で機能を統合するため,システムの部品コストを抑制できる。また,同社のチップ間シリアル・インターフェイス「VLYNQ」を搭載しているため,製造業者は,コストを抑えながらオンボード・コプロセサ,周辺機器を追加できるという。

 AR7ファミリは,すべてのDSL標準に対応している。AR7VとAR7WViをもとにした最終製品は,同年6月に量産体制に入る予定。

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