米Sun Microsystemsは米国時間3月30日に,アプリケーション開発ツール「Java Studio Creator」(開発コード名は「Project Rave」)の早期アクセス版を発表した。4月8日より同社WWWサイトから配布する。

 Sun社によると,昨年12月にリリースしたプレビュー版は,100人以上の開発者が検証を行った。また,すでに1万人以上の開発者が早期アクセス版に登録済みだという。

 Java Studio Creatorは,アプリケーションを開発,デバッグ,実装するための包括的なツール。JavaServer Faces(JSF)の初回リリースに対応し,NetBeans 3.6をベースにする。JSFはWWWアプリケーション用インタフェースのフレームワークで,Java開発者コミュニティのJava Community Process(JCP)がJSR 127で仕様策定した。NetBeans 3.6は,コード・エディタにおけるJavaServer Pages用シンタックスのサポートを向上し,コード完了やデバッグ機能を強化している。

 Java Studio Creatorには,サーバー向けJavaシステム「Java Enterprise System」のランタイム版(「Java System Application Server, Platform Edition」で構成),SQLデータベース・サーバー「PointBase」,Java 2, Standard Edition(J2SE)用ソフトウエア開発キットのほか,範例,チュートリアル,JSFビジュアル・コンポーネントなどが含まれる。

 「Java Studio Creatorを使うことにより,Java開発を視覚的で効率的に行えるうえ,システム・インフラやWWWサービス構築に時間をかけることなく,ユーザー・インタフェースやビジネス・ロジックといった付加価値に注力することができる」(Sun社)。また,「Java Studio Enterprise」などの大企業向けツールを使って作成した高度なサービスを利用することも可能。

 Java Studio Creatorの一般向けリリースは,2004年夏を計画している。その際に,Solaris Operating System,Linux,Windowsをサポートする予定。

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