米Apple Computerは,小型サイズの携帯型音楽プレーヤ「iPod mini」の米国外における発売時期を同年7月に延期する。同社が米国時間3月25日に発表した。同製品は,2月に米国内で販売が開始され,4月より世界市場に向けた出荷が予定されていた。

 同社はこの遅れを「米国内における需要が予想を上回り,6月末までの生産計画をはるかに超える見通しとなったため」と説明している。

 同製品は,「CD品質の音楽を1000曲以上保存できるこれまでで最も小型のプレーヤ」(Apple社)であり,重さは約100グラム。筐体には,軽量の陽極酸化アルミニウムを採用し,5色のカラーを用意する。先行機種「iPod」に搭載したタッチ・ホイールにメカニカル・ボタンを加えた「Click Wheel」を採用しているため,片手で正確なナビゲーションができる。

 なお米メディア(CNET News.com)の報道によると,この遅れはハードディスクの供給が追いつかなかったためだという。2月に販売を開始して以来,同社には予想を上回る注文が寄せられており,先行予約だけでも10万台を超えていた。そのため,米国市場における需要への対応に専念せざるを得なくなり,海外市場に進出するためにハードディスクの供給量が増えるのを待たなければならなくなった。

 同社によれば,HDDが増産された段階でiPod miniの販売を拡大することが可能になる。このプロセスは7月に開始される予定だが,同製品が販売される国に関しては,まだ発表されていない。

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