米Microsoft，「Seamless Computing」構想と関連製品を開発者会議で紹介

2004.03.25

　米Microsoft会長兼チーフ・ソフトウエア・アーキテクトのBill Gates氏は，ソフトウエアの新時代に向けた構想「Seamless Computing」の詳細と関連製品を発表した。Microsoft社が米国時間3月24日に明らかにしたもの。同氏は，共同開催されたMicrosoft Mobile Developer Conference（DevCon）2004，VSLive! San Francisco 2004，AVIOS～SpeechTEK Spring 2004の基調講演で発表を行った。

　「開発者コミュニティは，Seamless Computingを構想に終わらせず実現させるにあたり，触媒の役目を果たす。ソフトウエア開発者がコンピューティングの未来を形成するアプリケーションやサービスを作り出せるようにするため，当社は協力を続ける」（同氏）

　同氏が講演のなかで紹介した製品は，音声アプリケーション・サーバー「Microsoft Speech Server 2004」，モバイル機器向けプラットフォームの新版「Windows Mobile 2003 Second Edition」，位置情報サービス向けサーバー「MapPoint Location Server」。

　Microsoft Speech Server 2004は，Windows Server 2003上で稼働するアプリケーション・サーバー。音声処理向け拡張タグ仕様Speech Application Language Tags（SALT）を採用しており，既存のマークアップ言語を拡張して音声入力と出力機能を追加できる。テレフォニとマルチモーダル・アプリケーションの両方に対応可能。アプリケーションの開発はVisual Studio .NETで行い，Web／テレフォニ・インフラ，音声機能付きASP.NET対応Webアプリケーションを統合できるという。

　Windows Mobile 2003 Second Editionは，旧版に正方形画面対応，横長／縦長画面の動的切り替え，VGAおよびQVGA対応といった機能を付加したプラットフォーム。Gates氏は，同プラットフォームに対応したPocket PCとして，米Motorolaの「Motorola MPx」を紹介した。

　MapPoint Location Server（MLS）は，同社が3月22日に発表した製品。モバイル通信事業者から取得した位置情報データを，地図情報Webサービス「Microsoft MapPoint Web Service」の機能と組み合わせて利用できるようにするためのサーバー・ソフトウエアである。

　さらに同氏は，アプリケーション開発プラットフォーム「Visual Studio 2005」（開発コード名はWhidbey）のCommunity Technology Previewプログラムについても触れた。同社は同プログラムを通じ，現在開発過程にあるVisual Studio 2005の機能を顧客に提供してフィードバックを得ることで，製品の品質向上に役立てるとしている。