「過去12カ月間に,ファイアウオールに深刻なセキュリティ・ホールが見つかり,パッチを適用する必要があった企業は全体の84%に達した」。セキュリティ機器を手掛ける米Secure Computingが,企業ファイアウオールに関する調査結果を,米国時間3月23日に発表した。

 調査はSecure Computing社が米TheInfoProに依頼して,さまざまな業界に属する企業111社のITマネージャを対象に,2004年2月に実施したもの。

 ITマネージャは,ファイアウオールのセキュリティ・ホールを修正するために,多くの時間を割いている。過去1年間に,セキュリティ・ホールの修正に費やした時間が「16時間を超える」という回答者は16%,「8時間~16時間」の回答者は25%,「8時間以内」の回答者は31%だった。また,ファイアウオールを選ぶ際に,パッチ管理の容易さを「とても重要視する」または「ある程度重要視する」企業は65%に達した。

 3月20日以来,米ISSのセキュリティ製品の脆弱性を悪用して,ハード・ディスク装置のデータを破壊する「Witty」ワーム に関する警告が出されている。また過去数カ月間に,多数の大手ファイアウオール・ベンダーが,深刻なセキュリティ・ホールを修正するパッチをリリースしている。しかしITマネージャに,自社のファイアウオールにセキュリティ・ホールがあるかもしれない可能性について尋ねたところ,「全く心配していない」とする回答者が24%を占めた。

 Secure Computing社製品開発担当上級副社長のMike Gallagher氏は,「企業のファイアウオールに脆弱性がある第一の原因は,ファイアウオールのOSにある」と指摘し,次のように説明した。「ファイアウオールの多くは,セキュリティを強化していない商用OSを基盤にしていたり,安全性を売り物にしていながら,強固なセキュリティ・アーキテクチャを備えていないOSを利用している」(同氏)

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