米IDCは米国時間3月23日,ソフトウエアのライセンス・モデルに関する調査結果を発表した。それによると,企業向けソフトウエア・ベンダーの半数以上が,来年中にライセンス・モデルの切り換えを予定していることが明らかとなった。IDCは,「業界変動や顧客需要などにより,ベンダーによるライセンス・モデルの抜本的な切り換えが進む」と予測する。

 IDCのSoftware Pricing,Licensing,and Delivery部門でプログラム・マネージャを務めるAmy Mizoras Konary氏は,「ソフトウエア・ベンダーは基本的に,現行のライセンス・モデルがビジネス環境に沿ったものでないことを認めている」と語る。

 ソフトウエア・ベンダーの75%は,サブスクリプション(一定期間の利用権を販売する「購読」方式)ライセンスではなく,永久ライセンスを採用している。しかし,顧客とベンダーの多くはサブスクリプション方式への切り換えを検討中だ。ソフトウエア・ベンダーの43%,および顧客の26%が,「2010年には,ソフトウエア売上高の大半をサブスクリプション方式が創出する」とみている。

 この変化には二つの要因があるという。一つは,顧客が管理するソフトウエア契約が増えていること。IDCの調査によると,中~大規模の企業は,平均で40以上のソフトウエア契約を結んでおり,「これらを管理する手間が増えるため,コストの増加,さらには契約の順守が困難になっている」(IDC)。もう一つは,現在のライセンス・モデルが事業価値と切り離されている点だ。ソフトウエア・ベンダーの72%,および顧客の70%は「ソフトウエア業界は,ソフトウエアの事業価値を確立することにもっと力を入れるべきだ」と指摘している。

◎関連記事
MS Officeのライセンス制度が変更,プリインストールされるOfficeの種類が多様に
「ソフト・ライセンスを見直してITコストを下げよう」
MSが「ファスト・フード型」ライセンスを検討中
「企業が購入したCRMソフト・ライセンスの42%は使用されていない」,米Gartnerが調査結果を発表
米Microsoft,小規模企業向けにライセンスの分割払いオプションを3月から追加
米シスコ,無線LAN技術の無償提供ライセンス「Cisco Compatible Extensions」を発表
サーバーOSのライセンス体系
MS,Windows .NET Server 2003でライセンス制度を改定

[発表資料へ]