ノルウェーのOpera SoftWareは現地時間3月24日に,デスクトップ・パソコン向けブラウザに関して米IBMと提携を結んだことを明らかにした。IBM社の音声技術「Embedded ViaVoice」を,「Opera」ブラウザの新バージョンに組み込む。

 ユーザーは,音声命令でWWWページを移動したり,情報を要求できるほか,申し込みフォームに記入することも可能。

 コンピュータとモバイル機器の機能や速度が向上しており,ユーザーも多様化していることから,WWWではより柔軟性の高いユーザー・インタフェースが求められている。マルチモーダル向け記述言語「XHTML+Voice(X+V)」を用いることにより,開発者は,音声入力および出力機能を従来のWWWページに追加し,自然な話し言葉によるやりとりを実現できる。「例えば,Opera社のプレゼンテーション・ツール『Opera Show』でWWW対応プレゼンテーションを作成し,Operaブラウザ上で音声命令によって次々にスライド表示することが可能」(Opera SoftWare社)

 IBM社Embedded Speech部門ディレクタのIgor Jablokov氏は,「まず最初にパソコンに,そして近い将来,携帯電話やPDAといったデバイスにも音声技術を組み込むことで,WWWコンテンツをより自然な手法で利用できるようになる」と述べた。

 Embedded ViaVoiceを統合したOperaの新バージョンは,当初,顧客企業および開発者に向ける。サポートOSはWindowsで,英語版のみ。なお,米メディア(TechWeb)の報道によれば,他の言語に対応したバージョンも予定しているという。Operaは無償で配布しているが,広告非表示の有償版も39ドルで購入できる。

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