米Microsoftの事業部門であるMicrosoft Business Solutionsは,企業顧客向けカンファレンス「Convergence 2004」を米フロリダのオーランドにおいて米国時間3月22日から3日間開催する。同社は,同カンファレンスにおいて一連のビジネス・アプリケーションの新版とサービスを発表した。

 同事業部門の上級副社長であるDoug Burgum氏は,基調講演において「Windows Mobile」を搭載するPocket PC上で「Microsoft CRM Sales for Outlook」を運用するデモを行なった。「Microsoft CRM」と同期させれば,すべてのデータが自動的にシステム上にアップロードされるため,販売員はデータを持ち歩くことができるようになるという。Pocket PC上で利用できるようになる「Microsoft CRM Pocket PC」機能は,2004年に提供が予定されているという。

 その他に発表された新版の概要は次の通り。

・財務ソフト「Great Plains 8.0」
 Great Plains 8.0は,Officeの外観を持ちOfficeにシームレスに統合できる。新版では,流通,製造,プロジェクト業における会計機能を強化している。北米にて7月にリリースが予定されている。

・ポータル製品「Business Portal 2.5」
 必要要件の管理,時間と経費管理を含むプロジェクト・セルフサービス機能,電子ドキュメントの配信,人事管理セルフサービスの機能強化を提供する。また,「Microsoft Office Solution Accelerator for Sarbanes-Oxley」とシームレスに統合できる。同製品は,同社の2つのERP製品「Great Plains」と「Solomon」と組み合わせて利用できる。企業の情報とビジネス・プロセスに役割をベースとするアクセスを提供することにより,ITとサポート経費を削減しながら事業の効率性の改善を支援する。

・ビジネス管理ソリューション「Navision 4.0」
 カスタマイズできるビジネス管理ソリューションを構築するために必要な柔軟性とツールを提供する。新版の機能強化により,販売サイクルの合理化,実装と導入時間の短縮,新しいパートナのトラッキングが可能になった。新しいツールキットにより,アップグレードのプロセスが容易になる。同年10月にリリースされる予定。

・会計管理ソフトの新版「Solomon 6.0」
 プロジェクト,サービス,流通を中心とする企業に焦点を当てた製品。Microsoft Business Portal機能の拡張といった既存の機能の強化に加え,新しいユーザー・インタフェース,リソース割り当て機能により,プロジェクトの効率が改善されるとともに,Microsoft CRMにシームレスに統合できるようになる。同新版は,7月に北米向けにリリースされる予定。

・「Analytics-FRx 6.7」
 Analytics-FRx 6.7は,財務分析機能を持つソリューションを支援する。新しく追加されたモジュール「FRx Report Manager」は,包括的な帳簿を提供するために必要なドキュメントを迅速に収集する。新版では,財務データの標準規格「XBRL 2.0(Extensible Business Reporting Language)」のサポートがアップグレードされた。また,Officeスイートとシームレスに統合できるようになる。

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