米QUALCOMMは米国時間3月22日に,米RealNetworksから「RealPlayer」「RealAudio」「RealVideo」のコーデックに関して,ライセンス供与を受けたことを発表した。QUALCOMM社は,これらコーデックを同社のモバイル・ステーション・モデム(MSM)チップセット「MSM6100」と「MSM6250」に統合し,2004年第2四半期に提供を開始する予定。CDMA2000 1Xや,WCDMA(UMTS)/GSM/GPRS市場に向ける。

 DSP(デジタル信号処理)機能を埋め込むことで,RealNetworks社製コーデックの復号性能を向上し,消費電力を削減する。ユーザーは,QUALCOMM社のQtv技術を搭載した携帯電話機を使って,RealAudioとRealVideo形式のコンテンツや,3GPP/3GPP2対応コンテンツを再生したりストリーミングできるようになる。

 また,QUALCOMM社のチップセットはBREW対応のため,高度なアプリケーションやコンテンツを提供するマルチメディア対応の携帯電話機を,市場にすばやく投入できるようになるという。さらに,Java実行環境「Java Runtime Environment(JRE)」にも対応しているため,J2MEアプリケーションをBREWソフトウエアの延長として,チップセット上に構築できる。

 なおQtvは,MSMのマルチメディア・スイート「Launchpad」に含まれる多機能ビデオ・デコーダ。マルチメディア・コンテンツのストリーミング,ダウンロード,再生を可能にし,MPEG4,H.263,H.264形式に対応する。

 QUALCOMM社CDMA Technologies部門マーケティング/製品担当副社長の Luis Pineda氏は,「当社のパートナー企業に,優れた品質のマルチメディア・ソリューションを提供するのが狙い」と説明する。「無線機器メーカーは,RealAudioとRealVideoコーデックを統合したMSMチップセットを利用して,急成長をとげるモバイル市場に次世代マルチメディア・ハンドセットをすばやく投入できるようになるだろう」(同氏)

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