米Microsoftは,位置情報サービス向けサーバー・ソフトウエア「MapPoint Location Server(MLS)」を米国時間3月22日に発表した。モバイル通信事業者から取得した位置情報データを,Microsoft社の地図情報Webサービス「Microsoft MapPoint Web Service」の機能と組み合わせて利用できるようにする。MLSの導入効果について,同社は「(貨物や自動車など)移動する資産や,外回りをする従業員の位置特定,追跡,管理が行いやすくなる」と説明する。

 MLSは,MapPoint Web ServiceやWindows Server,Microsoft SQL Server,Active Directory,Microsoft .NET Frameworkなどの同社製インフラとの統合が容易という。モバイル通信事業者に依存しない位置情報取得APIを備えているので,ほかの事業者を通じて位置情報を取得し,それを自社製アプリケーション内で利用する,といったシステムも開発できる。SOAPとXMLのほか,.NET用の各種プログラミング言語やJava,Perlを利用可能。

 プライバシ情報を保護するため,位置情報の取得時に送信するデータの内容はユーザー自身が選べる。MLSとMapPoint Web Serviceのあいだでやり取りされる位置情報と電話番号などの個人情報は,すべて暗号化する。さらに,MLSとモバイル通信事業者間で電話番号を送信する場合にも,データに暗号をかける。

 MLSベースのサービスについては,米SprintとカナダのBell Canadaがリアルタイム商用位置情報サービスの提供計画を表明している。Sprint社は,米国で今夏よりサービスを開始する予定。また,米Cubistixと米Action EngineがMLSを使ったソリューションを手がけるという。

 MapPoint Web Serviceのライセンスを所有している顧客は,MLSを利用できる。

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