欧州連合(EU)の独占禁止法に違反したとして米Microsoftの調査を進めている欧州委員会(EC)と同社の和解交渉が決裂した。Microsoft社がスイスで現地時間3月18日に明らかにしたもの。「プロフェッショナリズムと協調の精神のもとで行われてきた話し合いが,本日,和解に至ることなく終了した」(Microsoft社)

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,EU当局は,Microsoft社がWindowsと自社のメディア・プレーヤを「タイアップさせる」ことで,欧州市場の競争を妨げたと判断。現在,是正措置を検討中である。是正案には,オーディオおよびビデオ機能を組み合わせたWindowsと,切り離したWindowsの2種類を用意するよう要求する内容が含まれる。また,EUは3月24日の正式裁定で,Microsoft社に巨額の制裁金を課す見込みである。EC競争政策会長のMario Montiは「最終的に,欧州市場の競争と消費者にとって最良の方法が何かを判断する必要があった。強固な前例を作ることで,欧州消費者はより良い提供を受けることができるだろう。市場で支配力を持つ企業の将来的経営に対して,明確な原則を確立する前例を作ることは重要だ」と述べた。

 Microsoft社CEOのSteve Ballmer氏は,「審議の争点に関しては意見が一致した。しかし当社は,将来起こりうる新たな問題に向けた原則については賛同しかねた」と述べた。

 Microsoft社は過去数カ月にわたり,「事実上,休みなく」(Microsoft社)ECとの交渉に臨み,同委員会が問題視している相互操作性とメディア・プレーヤ技術に関して多数の提案を行ったという。Ballmer氏は,「同社とEC間の話し合いの建設的本質を認め,ECの審査に応じた」としている。「当社は訴訟に持ち込むことなく,この問題を解決しようとできる限り努力してきた。今でも,後の段階で和解できることを望んでいる」(同氏)

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