米国の映画業界団体Motion Picture Association of America(MPAA)が,インターネットを使ったコンテンツ・ダウンロードに関する親の意識調査を行い,その結果を米国時間3月17日に発表した。各メディアで頻繁に取りあげられるようになったにも関わらず,著作権保護されたファイルの交換が違法であることを認識していない親が約40%に達したという。

 調査は,MPAAが米Nielson NRGに依頼して,2月25日~3月4日に行ったもの。12~17歳の子供を持ち,家庭でインターネットにアクセスできる親396人を対象に,電話によるアンケートを実施した。また回答者は,過去2カ月間に映画を2本以上,あるいは過去1年間に6本以上みた親に限定した。

 子供が「インターネットから音楽や映画をダウンロードしている」という回答者は,全体の40%以上を占めた。子供がそのコンテンツを入手するために,「料金を支払っていない」という親は55%で,「よく分からない」という親は15%だった。また,インターネットから映画や音楽をダウンロードしたことがある回答者のうち,子供からその方法を教えてもらったという割合は3分の1だった。

 元「FamilyPC」誌編集長のRobin Raskin氏は,「著作権保護されたコンテンツが,ピア・ツー・ピア(PtoP)のネットワークを介して,家庭や学校の寮などで頻繁に交換されている」と述べ,次のように注意を促した。「親は,PtoPネットワークを使ったコンテンツのダウンロードによって,個人情報を盗むスパイウエアやウイルスに感染する恐れがあるばかりか,違法ファイルを所有することで法的責任を負わされることを認識すべきだ」(同氏)

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