XML関連の標準化団体Organization for the Advancement of Structured Information Standards(OASIS)のメンバーは,Webサービス間の相互作用を標準化する技術委員会「OASIS Web Services Notification Technical Committee(WSN TC)」と,Webサービスによるステートフル・リソースをモデル化/アクセスするための汎用フレームワークを検討する技術委員会「OASIS Web Services Resource Framework Technical Committee(WSRF TC)」を発足させた。OASISが米国時間3月17日に明らかにしたもの。両技術委員会は,連携して検討を進める。

 WSN TCは,パターン・ベースの手法を取り扱う。この手法を適用すると,あるWebサービスから未知のWebサービス群に対して情報を伝達できるという。「通知パターンは,システム/機器管理や電子商取引などの分野でさまざまな応用が考えられる。当技術委員会の目標は,明示的かつ標準的な手法でこのパターンをモデル化するための,相互接続性を備えモジュラ構造を持つロイヤルティ・フリーの仕様セットを定義することにある」(米IBMのPeter Niblett氏,同氏はWSN TCの共同議長に就任する予定)

 WSN TCの主なメンバー企業は以下の通り。米AmberPoint,英Arjuna Technologies,米BEA Systems,米BMC Software,米Computer Associates International(CA),富士通,米Hewlett-Packard(HP),IBM社,NEC,米Novell,米OpenNetwork,ドイツSAP,米SeeBeyond Technology,米Sonic Software,米webMethods。

 一方WSRF TCの目標は,「明示的かつ標準的な手法でWebサービスとその状態(ステート)をモデル化するための,相互接続性を備えモジュラ構造を持つロイヤルティ・フリーの仕様セットを定義すること」(OASIS)という。「通常Webサービスは,状態を持たない(ステートレス)よう実装する。それに対しWebサービス用インタフェースは,状態を持った(ステートフル)やり取りをサービスのクライアントと行うよう想定することが多い。WSRFは,状態の記述と,関連属性による状態管理を実行する仕組みを作るとともに,この仕組みをWebサービスのグループにも適用する方法を示す」(富士通のDavid Snelling氏,同氏はWSRF TCの共同議長に就任する予定)

 WSRF TCの主なメンバー企業は以下の通り。AmberPoint社,Arjuna Technologies社,BEA Systems社,BMC Software社,CA社,富士通,HP社,IBM社,NEC,Novell社,OpenNetwork社,リコー,SeeBeyond社,Sonic Software社,webMethods社。

 両仕様の検討作業に協力する企業は,「WS-Notification」と「WS-Resource」と呼ばれる関連仕様をそれぞれの技術委員会に提出する(関連記事)。

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[発表資料(WSN TC)]
[発表資料(WSRF TC)]