米Open Source Risk Management(OSRM)は米国時間3月17日に,オープンソース・ソフトウエア向けリスク審査サービスを発表した。オープンソースを利用している企業が訴訟に巻き込まれる危険性を検査し,そのリスクを軽減できるようにする。

 同サービスは,OSRM社のコード・スキャン技術を用いて顧客のコード・ベースを審査し,訴訟の対象になりうる部分を検出する。その後,Linuxを利用しているFortune 500企業のCIOや顧問弁護士が参加するOSRM社作業グループが策定したベスト・プラクティスをもとに,コンサルティング・サービスを提供する。

 OSRM社は,顧客が提訴された場合の訴訟費用を負担する保険型サービスの提供も計画している。

 これまで,Linuxユーザーを保護するための取り組みとして,米Novellなどが免責保証を提供しており,米Red Hatも訴訟費用を援助する基金設立を発表している。

 しかし,「特定ベンダーは自社が販売しているそのままのコードしか保証していない。例えば,顧客がコードを変更,共有,修正していれば,保証は適用されない」と,OSRM社は述べる。「コードに手を加えられることが,オープンソースの魅力であるはずだ。ベンダーから独立した立場にある当社のサービスは,顧客を保護しつつ,オープンソースの恩恵を引き続き享受できるようにする」(同社)

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