米Lindows.comは,同社の製品が商標権侵害にあたるとして,米Microsoftが世界各国で起こしている訴訟の停止を求める申し立てをワシントン州西地区連邦地裁に提出した。同社が米国時間3月16日に明らかにした。また,申し立てでは,米国における判決が下されるまで,国外で新しい訴訟を起こさないこと,同社のWebサイトを閉鎖するように国外で下された判決の免除も求めている。

 Microsoft社は,Lindows.com社の名称と同社の製品「LindowsOS」がMicrosoft社の登録商標「Windows」をまねているとして,2001年12月にLindows.com社を提訴した。シアトル連邦地裁が,Microsoft社の略式裁判の請求を2003年1月に却下した。そのため,「Windowsという言葉が商標として有効かどうか」の判断が,陪審裁判の手に委ねられることになっている。

 Microsoft社は,フランス,カナダ,フンランド,スウェーデン,ベルギー,オランダ,ルクセンブルグにおいて同じ内容の訴訟を起こしている。オランダの裁判所が2月にMicrosoft社寄りの判決を下しており,Lindows社は,オランダ,ベルギー,ルクセンブルクにおける営業の中止に追い込まれていた。

 Lindows.com社のCEOであるMichael Robertson氏は「Microsoft社は,意図的に米国における訴訟の公判を遅らせ,独占利益を使ってLinuxの普及を阻むためにLindows.com社のような小さな企業に対して世界各国で法的な攻撃を仕掛けている。米国における訴訟は,すでに2年以上続いており,Lindows社はシアトルの陪審員にWindowsという名称は一般的なものであることを証明する準備ができている」と述べている。

 米メディアの報道(CNET News.com)によれば,Microsoft社のスポークスマンは,「Lindows.com社は異なる国々においてWindowsの商標を侵害している。管轄外の地域における法律問題の規制を裁判所には求めない」とする考えを表明している。また,Lindows.com社に対しては,混乱を避けるために独自の名称を採用するように引き続き求めている。

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