米Intelは米国政府関係者などに,無線センサー・ネットワークを利用した家庭向け介護支援技術のデモンストレーションを行った。Intel社が米国時間3月16日に明らかにしたもの。高齢化社会に対処する技術を検討する取り組みCenter for Aging Services Technologies(CAST)の一環として実施した。

 デモンストレーションした試作システムは,半導体センサーを靴,家具,家電品など家庭内にある道具や機器に組み込み,高齢者やアルツハイマー患者,障害のある人が家庭での生活を続けられるよう支援する。各センサーを無線通信でネットワーク化することで,必要な情報を効率よく伝達して介助を受けやすくする。その結果,介助する側の負担も軽くなるという。

 同システムのデモンストレーションについて,Intel社予防的健康保険研究担当ディレクタのEric Dishman氏(同氏はCASTの議長を務める)は,「家庭向け介護技術の開発において,無線センサー・ネットワークが極めて有望な分野であることを示している」と述べる。「この技術を使えば,人としての尊厳を失うことなく,安全に自立して年齢を重ねられる。しかも,介護の質を落とすことなくコストを管理するのに役立つ。さらに,24時間休むことなく関わる家族などにとって,大きな心のよりどころになるはずだ」(同氏)

 同社はアルツハイマー患者などを介護している家庭の協力を得て,1年間にわたり同無線センサー・ネットワーク・システムを検討してきた。2004年後半には,実際の家庭で試験運用を始める予定。

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