ドイツのSiemens,米Motorola,スウェーデンのEricssonの3社は,携帯電話のPush-to-Talk over Cellular(POC)技術の相互接続性について,共同で試験を実施する。Siemens社が現地時間3月16日に明らかにしたもの。「共同試験により,POCの商用サービスを容易に統合できるようにし,ネットワーク事業者同士が競合できる環境をつくり出す。また,消費者がシームレスにpush-to-talk機能を利用できるようにする」(3社)

 3社が協力するのは,ボタンを押すだけで携帯電話をトランシーバのように利用できる音声チャット・サービス。番号をダイヤルする代わりにボタンを押し,バディ・リストから会話をしたい相手を選ぶ。話す相手は1人でも複数でも選択できる。ボタンを押しながら話すと,選択した利用者に声が届き,ボタンを放せばほかの人の発話が聞こえるという仕組み。北米では既に人気を得ており,今後,欧州やアジアでも普及が予測されているという。しかし,「大衆市場に受け入れてもらうには,相互接続性がカギとなる」(3社)

 モバイル通信の業界団体Open Mobile Alliance(OMA)は,2003年8月に提出されたPush-to-Talkの標準仕様案を検討中である。Ericsson社,Motorola社,Siemens社,ソニーとスウェーデンEricssonの合弁企業Sony Ericssonは,OMAを通じて最終仕様の完成に取り組んでいる。

 相互接続性を確保した最初の製品およびサービスは,2004年第2四半期に市場に投入される見通し。なお米メディア(CNET News.com)によると,フィンランドのNokiaは2月に,韓国Samsungと個別の相互接続テストで協力する合意を結んでいる。

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