シャープの米国子会社Sharp Electronicsの一部門であるSharp Systems of Americaは,米国市場向けノート・パソコン「Actius MM20」に米Transmetaのプロセサ「Efficeon TM8600」を搭載する。両社が米国時間3月15日に明らかにしたもの。Actius MM20は,同プロセサを採用した初のパソコンという。

 Actius MM20に搭載するTM8600の動作周波数は1.0GHz。従来モデル「Actius MM10」が使っていた1.0GHz版「Crusoe TM5800」に比べ,1クロック当たりの実行可能命令数が最大2倍に増えたという。さらに両社は,「(発熱と消費電力が少ないため)パソコンのバッテリ駆動時間を長くできる」と説明する。「Actius MM20の場合,冷却ファンを設けず,標準バッテリで最大3時間,拡張バッテリ付きの状態で最大9時間の運用が可能」(両社)

 Actius MM20は重さ2ポンド(約907g),最薄部の厚さ0.62インチ(約15.7mm)という薄型軽量のノート・パソコン。画面は10.4インチ型XGA(1024×768ピクセル)液晶ディスプレイ。20Gバイトのハード・ディスク装置(HDD),512MバイトのDDR SDRAM,カナダATI Technologiesの「ATI MOBILITY RADEON」グラフィックスLSI(ビデオ・メモリーは16Mバイト),IEEE802.11g対応無線LAN機能を内蔵する。出荷時の搭載OSはMicrosoft Windows XP Home Edition。

 Actius MM20をクレードル「Sharp Connection Cradle」にセットすると,内蔵HDDをUSB 2.0対応外付けHDDとしてほかのパソコンから利用できる。データ同期ソフトウエア「SharpSync」を使えば,複数のパソコン間でファイルの同期が容易に行えるという。

 Actius MM20の予想小売価格は1499.00ドル。Sharp Electronics社の直販オンライン・ストア,または販売パートナで直ちに受注を開始する。出荷開始は2004年4月を予定する。

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[発表資料(Transmeta社)]
[発表資料(Sharp Electronics社)]