米Microsoftは,コンピュータ・ユーザーに向けたスパムメール対策のヒントを米国時間3月10日に発表した。同社によれば,スパム対策法案によってスパム送信業者の仕事は難しくなったが,スパムを完全に撲滅させるためにはハイテクとローテクを合わせた努力が必要だという。

 住宅ローンから成長ホルモンやデート・サービスまで,さまざまな製品を売り込むスパムメールの割合は,電子メール・トラフィックの半分以上を占めている。スパムには,ネットワーク,ファイル,ハード・ドライブにダメージを与えるように設計されたウイルス,ワーム,その他の悪意を持つコードが含まれる可能性がある。また,受信者のコンピュータ上にプログラムをダウンロードして,ユーザーの活動を追跡してオンライン・マーケッタに情報を報告するものもある。

 これらのスパムメールを遮断するために,Webベースの電子メール・サービス「MSN Hotmail」などは,フィルタリング技術を採用して1日に何十億もの電子メールを排除している。「Office Outlook 2003」などの電子メール・プログラムに搭載されるフィルタリング技術には,ユーザーが継続的にトレーニングすることによりスパムを正確に判断できるようになるものがある。そのため,スパム送信者の戦術に合わせて対応できるようになる。

 スパムを介して広まるスパイウエアや悪意を持つソフトウエアの被害者にならないために,同社がコンピュータ・ユーザーに向けたヒントは次の通り。

・スパム・フィルタの利用方法を学ぶ
 コンピューター・ユーザーは,スパム・フィルタの使い方を学ぶべきである。見慣れないすべてのメールを排除する「高」から送信されたほとんどを受け入れる「低」まで,自分が望むレベルでフィルタを設定すべきである。

・買わない,返信しない,削除する
 メールで広告している製品やサービスにどんなに興味があっても,コンピュータ・ユーザーは決してスパム・メールに返信すべきではない。メーリング・リストから電子メール・アドレスを削除する配信停止のリクエストでも,スパム送信者が有効な電子メール・アカウントを確認する手段となり得る。

・電子メール・アドレスを工夫する
 電子メール・アドレスに奇妙な単語や数字を使うと有効。コンピュータ・プログラムで電子メール・アドレスを生成してスパム・メールを送りつけてくる送信者にとって,電子メールの推測が難しくなる。また,2つの電子メール・アドレスを用意する方法も有効である。1つは友人や家族へのメールの送信に利用し,もう1つはオンライン・ショッピングで買い物をしたり,オンライン・オークション,チャット,ニュースグループなどに使い分けると効果がある。

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