米IBMは,ストレージ・システムの管理作業を集約/自動化するソフトウエア・スイート製品「IBM TotalStorage Productivity Center」を米国時間3月9日に発表した。同スイートを使用すると,複数ベンダーのストレージ製品で構成されるシステムを集中管理でき,自動化/省力化が可能になるという。

 Productivity Centerにより,ストレージ・ハードウエアの管理,ストレージ・ネットワークの保守,動作性能の分析といった作業を集中制御する環境を実現できる。「ハードウエアとソフトウエアの両方に関わる主な管理業務の合理化につながり,効率的なストレージ・ネットワーク運用に不可欠な監視作業が行える」(同社)

 「同スイートは作業を集約するだけでなく,ストレージ・インフラ管理業務を自動化することで,管理者による手作業を削減できる。その結果,作業中に発生するミスが減る。さらに,既存のストレージ・インフラ内で活用されていないリソースを見つけ出すことで,ストレージ・ハードウエアの増設サイクルという悪循環を断ち切れる」(IBM社ストレージ・ソフトウエア担当ジェネラル・マネージャのBrian Truskowski氏)

 また,ストレージの業界団体であるStorage Networking Industry Association(SNIA)のStorage Management Interface Specification(SMI-S)など業界標準インタフェースに対応しているので,他社製品が混在する環境でも管理できる。

 Productivity Centerは2004年5月に利用可能とする。価格は5000ドルから。

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,同スイートは,IBM社の既存製品「Tivoli Storage Resource Manager」「Tivoli Storage Area Network Manager」とストレージ・ハードウエア管理用の新ソフトウエアをパッケージ化した構成という。

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