米Blue Coat Systemsは米国時間3月3日,PtoPファイル交換に関する調査結果を発表した。社内ネットワーク上で著作権所有物のPtoPファイル交換が行われている企業を全米レコード協会(RIAA)が訴える可能性について,会社員の60%近くが無頓着である。「映画音楽業界が個人の違法ファイル交換に的を絞った結果,PtoPユーザーの大半が企業のネットワーク上でファイル交換を行うようになっている」(同社)

 今回の調査は2003年末~2004年初めにかけて,約300人の会社員を対象に実施したもの。回答者の42%が「Kazaa」「Morpheus」「BearShare」「LimeWire」などのPtoPファイル交換ソフトや「Gnutella」「FastTrack」などのPtoPクライアントを使用している。このうち39%は,会社のネットワーク上でファイル交換を行っているという。また,全体の約半数は「自社にインターネット利用規定はないと思う」と答えた。

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,PtoPファイル交換ソフトの利用者のうち,約70%が「1日あたり16分以上」をファイル交換に費やす。「1日あたり1時間以上」を費やすユーザーは約16%。

 「企業ネットワークは,PtoPファイル交換を行う者にとって避難所のようになっている。ユーザーは自社がRIAAなどに訴えられる可能性があることを気にかけていない。さらに,PtoPのダウンロードはすぐにネットワーク帯域の30%程度を占有し,ネットワーク資源を消費してしまう。企業はネットワーク上のPtoP活動を監視し,全社的なインターネット利用規定などを設けることが重要だ」(Blue Coat Systems社マーケティング部門バイス・プレジデントのSteve Mullaney氏)

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