インターネット・サービス・プロバイダ(ISP)の米Hypertouchは,米BlueStream Mediaと米BVWebTiesが米迷惑メール対策(CAN-SPAM)法に違反したとして連邦地方裁判所に提訴したことを,米国時間3月5日に発表した。

 Hypertouch社の代理人を務めるJohn L. Falla氏によると,「CAN-SPAM法違反の訴訟はこれが初めて」という。

 Hypertouch社の主張は,2社が,BVWebTies社の所有する住宅リフォーム・サイト「BobVila.com」のニューズレター登録を勧誘する電子メール広告を,Hypertouch社のユーザーに送りつけたというもの。Hypertouch社によれば,問題の電子メール広告は件名を偽り,掲載を義務づけられている実質的な電子メール・アドレスを載せていなかった。また送信先には,自動生成した電子メール・アドレスを用いたり,他の迷惑メールの配信停止手続きサイトから電子メール・アドレスを収集し利用していた。

 Hypertouch社設立者兼社長のJoe Wagner氏は「CAN-SPAM法は最小限の保護しか大衆に提供していない。BobVila.comサイトとBlueStream Media社は,そのわずかさえも遵守することを怠った」と非難した。また同氏は,「スパム・メールに配信停止手申請の返事を出すべきではない。その電子メール・アドレスが『生きて』いることをスパム業者に知らせてしまうだけだからだ。BobVila.comサイトとBlueStream Media社の行為は,スパム・メール受信者に(配信停止手申請の)返信をするよう求めるCAN-SPAM法がいかに有害かを示している」と述べた。

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