「過去に大きな問題が発生しているにもかかわらず,米国企業の半数近くが電子メールや電子ドキュメントについてのポリシーがない」。米Cohasset Associatesは,企業の電子情報記録に関する調査結果を米国時間3月4日,発表した。

 この調査は,記録情報管理の関連団体ARMA Internationalと画像情報管理の事業者団体AIIM Internationalの委託により,Cohasset Associates社が2200人の記録担当マネージャを対象に実施したもの。それによると,回答者の47%は「自社の文書保管および廃棄スケジュールに電子記録は含まれていない」と述べ,「電子メールの保管に関する正式なポリシーは存在しない」という企業は59%にのぼった。

 企業の46%は「係争中の訴訟または法的調査への対応が必要となった場合,関連記録の保管システムがない」としており,法規関連の文書が破棄されている可能性を示唆している。

 ARMA Internationalエグゼクティブ・ディレクタ兼CEOのPeter R. Hermann氏は「企業の大半が電子ドキュメントを作成し,電子的にやりとりしているにもかかわらず,電子記録に関して真剣に考えていないのは驚くべきことだ」と語る。「媒体が紙であろうと電子であろうと,必要なときに検索でき,一定期間経過後は廃棄するような管理を行なう必要がある」(同氏)

 調査結果では,企業の71%が「紙媒体の記録は記録担当マネージャが管理し,電子記録はIT部門が管理する」ことが明らかとなった。ただし,回答者の67%は「IT部門はパソコンを専門としているものの,記録管理の基本原則である『ライフサイクル管理』を理解していない」と指摘している。

 「電子メールや電子ドキュメントは,データではなく,通常の記録として取り扱う必要がある」(AIIM International会長兼CEOのJohn F. Mancini氏)

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