「多くの消費者は,電話とデータ保有以外の複数機能を提供するハンドヘルド・デバイスに興味を持っていない」。米Guideline Researchは,ハンドヘルド・デバイスに関する調査結果を米国時間3月2日に発表した。調査は,2003年12月にインターネットを介してランダムに選択した1000人の消費者に対して実施した。

 ハンドヘルド・デバイス市場が飽和状態に近づき,製造業者は複数機能を搭載するデバイスの投入で顧客ベースの拡大を狙っている。しかし,調査結果によれば,49%の消費者は多機能デバイスを望んでいない。25%は多機能デバイスは機能性が限られていると考えていることも明らかになった。

 「多機能デバイスは消費者の用途別のシンプルなデバイスを好む傾向を反映していない。パソコンを除いて,大半の消費者は単一のデバイスで複数のことをしたいと考えていない」(米FIND/SVP社コンサルタントのJames Belcher氏)

 しかし,市場には新しい製品を好み,多機能デバイスを求める人もいる。回答者の40%は,多機能デバイスを所有したいと回答している。10%はすでに複数の機能を持つハンドヘルド・デバイスを所有している。

 調査によって明らかになった消費者が多機能デバイスに望む機能は次の通り。

・電話:79.6%
・デジカメ:57.4%
・PDA:47.3%
・テレビ:38.4%
・GPS:33%
・ハンドヘルド・ゲーム:28.1%
・双方向ページング:25.8%

 「消費者のすべてがスイス・アーミー・ナイフのような多機能性を必要としているわけではない。たとえ多機能デバイスを望んでいても,必要以上の機能はいらないと考えている。多くの消費者は追加機能を望んでいないと答えているが,目的にかなった機能の組み合わせならば成功する可能性がある」(同氏)

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