「米Sun Microsystemsのグリッド・コンピューティング技術は,世界のデジタル・キャンパスと研究施設で採用されている」。同社がスペインで開催中の「Worldwide Education and Research Conference」において現地時間3月2日に発表した。

 同社のN1 Gridコンピューティング・ソリューションは,デラウエア大学(University of Delaware)のDelaware Biotechnology Instituteを始めとしてベルギーのノートルダム大学(University of Namur),パーデユー大学(Purdue University),テキサス大学(University of Texas)のTexas Advanced Computing Center,台湾のNational Central University in Taiwanといった学究的な研究環境において利用されているという。

 Sun社のStephen Perrenod氏は,「学術界は,グリッド・コンピューティングの総合的な価値とビジネスにおける利点を実証している」と述べている。同氏は,「学術研究機関の成功は,コンピューティング・インフラの効果的な利用に直結しており,グリッド・コンピューティングの動的に変化する負荷を処理する力がこれを可能にする。顧客は,Sun N1 Gridコンピューティングのパワーを直接証明することができる」と説明している。

 デラウエア大学を一例にあげると,同大学はデラウエア州の高等教育機関と州最大の病院システムを含む医療研究ネットワークの構築を目指している。同大学は,バイオテクノロジ・センターにおいて「Sun Fire V60x Compute Grid」と128のデュアル・プロセサ・ノードで構成されるシステムを利用している。また,同センターでは,「N1 Grid Engine Enterprise Edition」と「Sun Fire Control Station」を使ってシステム全体の管理を行なっている。

 調査会社Summit StrategiesのMary Turner氏は,「グリッド・コンピューティングは学術界において普及しており,商用スペースにも迅速に入り込んでいる。調査を行なった180の企業のおよそ25%は,数年内にグリッド・コンピューティングがITインフラに非常に重要,または重要になると考えていることが明らかになった」と述べている。

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