米IBMは,独立系ソフトウエア・ベンダー(ISV)向けパートナ・プログラムの再構成と新しいプログラムを米国時間3月2日に発表した。

 「Partnerworld Industry Networks for ISV(PWIN)」は,ISVが同社とともに各業界の特性に合わせて効率的に製品を投入するのを支援するもの。新しいWebベースのコミュニティは,銀行,金融市場,医療,生命科学,小売,通信の6つの業界をカバーする。PWIN は,ISVが単一のリソースを利用することにより,複数のコンピューティング・プラットフォームで利用できる製品の開発を支援する。

 「ISV Advantage for Industries」は,IBM社とのより強い提携を望むISV向けプログラム。プログラムに参加することにより,ISVはIBM社からマーケティング,販売,技術サポートが受けられられる。

 垂直戦略の移行に伴い,IBM社は金融,医療,生命科学,小売業界におけるビジネス・プロセスの統合,管理,自動化を支援する新しいミドルウエアを同日発表した。各業界向けに特化されたフレームワークには,ソフトウエア開発ツール,WebSphere,DB2,Tivoli,Lotus,Rational製品ラインからのミドルウエア技術,技術教育とサポートが含まれる。

 また,同社は「Orchestration and Provisioning Automation Library(OPAL)」を提供する構想も発表した。同ライブラリは,ビジネス・プロセスを自動化するための最良事例を提供する。これには,ISVにとってコラボレーション・ネットワークとなるオンライン・カタログが含まれる。そのため,ISVは,製品開発プロセスにおけるストレージ,ネットワーク,サーバー・プラとフォーム,アプリケーション,ミドルウエアの処理に関する最良事例を共有することができる。

 SMB市場をターゲットにするISV向け「Small and Medium Business Advantage」は,ビジネス・インテグレーション,ビジネス・インテリジェンス,コンテンツ管理,電子商取引,インフラ,ポータル製品を構築するための基盤を提供する。これには,アーキテクチャ,ハードウエア,ソフトウエア仕様を含め再利用可能な製品,統合方法,デモ・ツールキットなど製品を実装するための詳しい情報を提供する。自動車,銀行,家電,金融,保険,小売,卸売,パッケージ製品業界をターゲットとする。

 IBM社は,同社のISVプログラムは,米Microsoftが提供するプログラムと技術プラットフォームが異なると指摘している。Microsoft社のプログラムは,Windowsオペレーティング・システムに特化されているのに対し,IBM社が提供するプログラムでは,Java,Linuxなどのオープンソース・ソフトウエアを利用できるという。

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