米DoubleClickは,消費者の製品購入活動にメディアが与える影響をまとめた調査結果を米国時間3月1日に発表した。同調査は,消費者の製品購入プロセスを,製品を意識する,調査/情報収集,購入決定の3段階に分けて,製品部門ごとにまとめた。それによれば,異なる製品部門に合わせたマーケティング戦略が必要だという。

 製品を意識させる段階では,放送メディアの影響が強い。調査対象になった製品部門のおよそ半分で強い影響力を示した。オンライン・マーケティングとWWWサイトは,それ以降の製品調査と意思決定プロセスに大きな影響があることが明らかになった。

 「消費者が製品に興味を持つ段階では,まだテレビの影響は大きいが。しかし,広告,検索,電子メールを含むインタラクティブ・マーケティングが食い込んできている。オンライン媒体は,それ以降の製品調査から購入に至るまでのプロセスにおいて大半の部門で影響力を持っている」(同社オンライン広告部門の上級副社長兼ジェネラル・マネージャのDoug Knopper氏)

 購入プロセスの第1段階において,5部門でテレビの影響がもっとも大きかった。旅行部門は,旅行関連のWWWサイト,カード/銀行部門はダイレクト・メール,ローン/投資部門はインターネット広告,個人/家庭用製品の部門は印刷物による影響がもっとも大きかった。過去1年において,映画,自動車,電子製品の部門におけるテレビの影響は,大幅に低下している。

 製品の購入決定に至るまでの段階において,自動車,家庭用品,処方箋薬,映画,旅行,通信などの部門はWWWサイトとオンライン・マーケティングの影響が大きい。個人/家庭用製品といったより一般的に購入される製品は引き続きテレビや印刷物からの影響の方が大きい。

 また,回答者に購入プロセスにおける影響を1~7(7がもっとも高い)でランク付けしてもらった結果,オンラインは,多くの部門で放送や印刷メディアよりも大きな影響力を 持つことがわかった。

 ローン/投資部門では,ニュース,金融サイトは,影響がもっとも大きいく4.5のランクが付けられた。企業のWWWサイトは4.3だった。通信部門では,企業のWWWサイトの影響が3.5で,続くテレビ広告は3.3だった。TVがオンラインより高い影響力を持つのは,映画部門でランクは5.0だった。しかし,オンラインの映画レビューには,新聞広告と同レベルの影響があり,ともに2.7のランクが付けられた。

 検索エンジン・マーケティングは普及しているが,影響力は部門によって異なった。家電,処方箋薬などの部門で効力が大きい。処方箋薬の調査でインターネットを利用すると答えた人のうち,53%が処方箋薬のWWWサイトをを検索するのに対して,URLを推測して入力するのは7%だけだった。しかし,通信業の部門では,企業サイトを検索するのが38%に対して直接URLを推測して入力する割合が36%だった。

 調査は,2003年12月に消費者の過去6ヶ月の購入活動に関して質問したもの。2000件の回答を得た。調査の製品部門は,自動車,電子機器,食品,健康&美容,ローン/投資,クレジット・カード/銀行,映画,処方箋薬,通信サービス,個人/家庭用製品の10部門。

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