米Eastman Kodakの日本法人であるコダックは,1月23日から2月26日にかけて行ったチノンに対する株式公開買付により87.3%の議決権を獲得した。Kodak社が東京と米国でそれぞれ現地時間2月27日に明らかにしたもの。これによりコダックは,チノンの株式と現金を交換する形で買収を実施し,チノンを完全子会社化する。さらに,横浜にあるコダックのデジタル・カメラ研究/開発センターをチノンに移管する。

 チノンは1948年に三信製作所として創業し,カメラの鏡枠/鏡胴の生産を始めた。その後1973年に社名をチノンに変更,カメラ向け部品などの開発/生産を行ってきた。1985年にコダック(当時イーストマン・コダック・ジャパン)と資本/業務提携し,同社に対するカメラのOEM供給をスタートさせ,1993年にはデジタル・カメラのOEM生産を開始した。現在チノンの売上高の100%近くはKodak社で占めるという。

 チノン社長の長晋氏と同社の役員会は,全会一致でコダックによる買収に賛成し,「コダックの100%子会社となることで,研究/開発,技術,事業,製造における能力を強化できる」という内容のコメントを出している。

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