日本の公正取引委員会が米Microsoft日本法人の本社などを独占禁止法の疑いで立ち入り検査したことを受けて,Microsoft社は米国時間2月26日,声明を発表した。Microsoft社によると検査の対象は,パソコン/関連機器メーカーと結ぶWindowsおよびWindows CEのOEM契約における特許関連条項という。

 この条項は,「Windows自体やWindows内の特許に関するライセンス供与を受けたOEMメーカーは,たとえWindowsにOEMメーカーの特許を侵害する部分が存在していてもお互いに提訴してはならない」という内容。同社は,「この特許関連条項について,日本,米国,欧州の法律に違反していないと確信している」とし,次のように主張している。

・欧州委員会(EC)が2001年に同条項を検討し,競争法(独占禁止法)に照らして問題ないと判断した

・米司法省(DoJ)も1990年代なかごろに検討している

・その後当社は,DoJと複数の州が起こした独占禁止法訴訟の救済措置の一環として,ワシントンD.C.の連邦地裁に同条項に関する情報を提出した

 最近同社は,複数のOEM顧客の意見に従い同条項の再検討を行ったという。そして,2004年終盤から有効となる次回のOEM契約でこの条項を削除することとし,すでにOEM顧客に通知したとしている。

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