米AMDは,セキュリティ機能を備えるネットワーク・プロセサ「AMD Alchemy Au1550」を米国時間2月24日に発表した。米SafeNetの「SafeXcel IP」技術を導入し,各種VPNをハードウエアで処理できる。動作周波数333MHz,400MHz,500MHzの3製品を用意する。

 Alchemy Au1550は,VPNパケット・プロトコルの全処理をハードウエアで実装した「Security Engine」を内蔵しており,ソフトウエア処理する場合に比べメインのプロセサにかかる負荷を小さくできる。「限られた暗号化とハッシュ機能だけを実装しているほかのネットワーク・プロセサよりも,はるかに高いセキュリティ関連処理能力がある」(AMD社)

 IPsecとSSLの両形式のVPNプロトコルを処理でき,完全乱数生成器も備える。さらに,同時に確立可能なVPNトンネルの数に制限はないという。

 SafeNet社のCGX Mobile Libraryを使用しているので,同一のソフトウエアAPIを使ってさまざまな価格性能比のソリューションの設計が可能である。また共通APIを使うため,現在「Au1500」対応の参照設計キット「Access Equipment RDK」を使用している顧客は,「ソフトウエアをほとんど変更することなく,場合によってはまったく変えずにAu1550プロセサ・ベースのプラットフォームに移行できる」(AMD社)

 そのほかの主な仕様は以下の通り。

・Security Engine:
 暗号化方式はDES,3DES,AES,ARC-4,SHA-1,MD5を採用

・DDR/SDRメモリー・コントローラ:
 最高でDDR400のDDRおよびSDRAMに対応

・Descriptor-based DMA(DDMA)
 DMA動作のリンクドリストに対応。16チャネル

・スタティック・コントローラ:
 NOR型およびNAND型フラッシュ・メモリー対応。インタフェースはPCMCIAおよびCompact Flash

・対応OS:
 Windows CE.NET,Linux,VxWorks

・消費電力:
 400MHz版の消費電力は500mW。電池駆動とPower over Ethernet(PoE)に対応

 1万個ロット時の単価は,333MHz版が21.26ドル,400MHz版が26.57ドル,500MHz版が33.75ドル。現在サンプル出荷中で,量産出荷は2004年第2四半期の予定。

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