米Sun Microsystemsと米SupplyScapeは,無線ICタグ(RFID)技術を利用した,製薬業界向けシステム「Pharmaceutical Anti-Counterfeit RFID Package」を米国時間2月19日に発表した。製薬の偽造や横流しを防止し,サプライ・チェーン管理の効率化を図るとしている。2004年第2四半期に利用可能とする。

 同システムは,Sun社のJavaサーバー・ソフトウエア「Sun Java Enterprise System Software」とRFIDインフラ・ソフトウエアをベースとする。Sun社のRFIDインフラ・ソフトウエアは,自己修復機能とプロビジョニング機能を備え,米Alien,米AWID,米Feig,米Matrics,フランスのTagsys,米Tycoなどの電子製品コード(EPC)リーダーと連携可能。SupplyScape社の電子履歴アプリケーション「SupplyScape Electronic Pedigree」と組み合わせて,Sun社のx86プラットフォーム・サーバー上で動作する。サーバーのOSはSolarisまたはLinux。

 これらのコンポーネントはすべて,RFIDに関する標準化団体,米EPCglobalの標準規格に準拠しているという。このため,「製薬企業,卸売業者および薬局は,現在のサプライ・チェーン・インフラに同システムをすぐに導入できる」(両社)。

 「Pharmaceutical Anti-Counterfeit RFID Packageは,RFID技術とEPCネットワークを利用した,新たな追跡および監視機能を製薬業界に提供する」(Sun Microsystems社ライフサイエンス・インダストリ・マネージャのLiz From氏)

 米国では製薬の偽造や横流しが横行しているが,米食品医薬品局(FDA)のレポートでは「RFID技術により、製薬の偽造は非常に難しくなり、(偽造者にとって)利益が出ないものになる」としている。

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