米Intelが米国時間2月19日に,「世界初」(同社)の90nmプロセス・ルールで製造するNOR型フラッシュ・メモリー「Intel Wireless Flash Memory」を発表した。「ダイの大きさは従来品の約半分なので,製造コストを減らし,当社の製造能力を倍増できる」(同社)

 Intel Wireless Flash Memoryは,同社の第9世代に当たるフラッシュ・メモリーで,「Intel Stacked Chip Scale Packaging(Stacked-CSP)」製品系列の新製品。標準的なピン配置のパッケージを採用しているため,無線機器の設計時に組み込みやアップグレードが容易で,より狭い面積により多くのメモリーを実装できるという。

 「1.8Vという低い動作電圧,メモリー上にあるコードの直接実行機能,『Enhanced Factory Programming(EFP)』,単一チップ上のデュアル・コード/データ・ストレージといった4つの技術を1つの製品に導入した」(Intel社フラッシュ製品グループ担当副社長のTom Lacey氏)

 90nm版Intel Wireless Flash Memoryのサンプル品は,容量64Mビットのものを2004年4月に利用可能とする。量産開始は2004年第3四半期の予定で,1万個ロット時の希望価格は10.26ドル。

 なお同フラッシュ・メモリーは1セル当たり1ビットのメモリー素子だが,同社はマルチ・レベル・セル(MLC)技術を適用した90nm版「MLC Intel StrataFlash Wireless Memory」のサンプル出荷を2004年終盤に計画している。

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