インターネットのドメイン登録管理を手がける米VeriSignは,新たなDNS(Domain Name Service)サーバー拠点を中国に置く計画を,米国時間2月19日に発表した。同社は世界13カ所にDNSサーバー拠点を保持しており,これが14番目となる。

 同社と中国情報産業省は,北京に拠点を置くことに関して,拘束力を持たない覚書(Memorandum of Understanding:MOU)に同日署名したという。

 VeriSign社によると,世界のインターネット・トラフィックは,12~18カ月ごとに倍増している。また,アジアのトラフィックは他の地域を上回る速さで増えている。VeriSign社は14番目の拠点を中国に追加することで,「中国ユーザーに対するインターネットの反応速度と信頼性を高める」としている。

 北京のDNSサーバー拠点は,すべてのトップ・レベル・ドメイン(TLD)と国別ドメインのマスター・リストを格納する。VeriSign社が運用および管理を担当する。2004年末までにインストールを完了する予定。

 中国情報産業省副大臣のXi Guohua氏は,「中国でインターネット・インフラを拡張することにたいへん満足している」と述べた。「北京にDNSサーバー拠点を設けることで,中国インターネットの信頼性,安定性,効率性を確保できる」(同氏)

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