フィンランドのNokiaは,フランスのFrance Telecom傘下にあるOrange社と英Vodafoneと実施したモバイル機器によるシングル・サインオンの試験運用に成功した。同社が現地時間2月19日に発表した。同プロジェクトは,Liberty Alliance Project仕様に準拠している。同技術により,モバイル機器のユーザーは,ゲームやチケット予約など異なるオンライン・サービスにアクセスする際に複数のユーザー認証が必要なくなる。

 シングル・サインオン技術により,携帯電話ユーザーはネットワークやデバイスに依存することなく安全かつシームレスに複数のWebサービスにアクセス可能になる。また,業界は,シングル・サインオンとIDベースのWebサービスのオープン・スタンダードにより,顧客満足の向上が図れるとともに経費削減が可能になる。

 Nokia社が最初に発表したシングル・サインオン機能を持つ製品は「Nokia WAP Gateway」。世界で50社を超える通信事業者に採用されている。同製品は,Liberty Alliance仕様の適合性試験に2003年9月に合格している。プロキシ・サーバーとして機能することにより,認証仕様が組み込まれていない大半のモバイル機器による認証を可能にする。

 また,同社は米AOL Time WarnerのAmerica Online(AOL)が提供するオンラインのラジオ・サービスに関してもAOL社と協調している。両社は,Liberty Web Services Frameworkを実装して携帯電話でRadio@AOLの利用を可能にするための開発を行う。

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