米AOL Time WarnerのAmerica Online(AOL)は,会員に対して大量のスパムを送信したとして,フロリダ州にある企業と複数の個人に対して民事訴訟を起こした。同社が,フロリダ州連邦地裁に提訴したことを米国時間2月18日に明らかにした。

 被告として,フロリダ州のConnor-Miller Software社と同社の役員であるConner氏とMiller氏,ほか1名の個人名が挙げられている。

 AOL社は,被告がタイを基盤とする国際的なスパム送信業者と結託してAOL会員に3500万通を超えるスパムを送信したと訴えている。AOL社は,会員から150万件を超える苦情を受けて2003年1月から調査を行ってきた。

 訴状では,被告が大量のスパム送信を目的として事務所に多数の電子メール・サーバーを設置しているとしている。また,Conner氏は,AOL のメール・フィルタを回避するとともに,送信元を検出できなくするプログラム作成したと訴えている。

 AOL社は,被告が「Virginia Computer Crimes Act」「Federal Computer Fraud & Abuse Act」「State of Florida Common Law」に違反する行為を行ったと訴えており,160万ドルの損害賠償,その他の懲罰的損害賠償,資産の没収を求めている。

 AOL社は,タイ在住の共謀者である米国人Jonathan Beyer氏とJoseph Conrad氏に対しても4月にバージニア州連邦地裁において提訴している。この訴訟では,共同被告として今回フロリダ州で訴えられたConnor氏とMiller氏の名が挙がっていたが,バージニア州連邦地裁は,この提訴を管轄外として前年12月に棄却していた。

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