米RealNetworksは,Helixモバイル・プラットフォーム向けにミドルウエアとツール群を米国時間2月17日に発表した。これら製品は,モバイル通信事業者による,モバイル・ユーザー向けマルチメディア・サービスの提供を支援するもの。

 Helixモバイル・プラットフォームは,メディア配信プラットフォームの「Helix Universal Server mobile」「Helix Universal Gateway mobile」,コンテンツのエンコーダ「Helix Mobile Producer(Standard版とProfessional版)」,同日発表した「Helix Service Delivery Suite(Helix SDS)」,モバイル・デバイス向け「RealPlayer」で構成される。

 Helix SDSは,ワイヤレス・ネットワークをメディア配信インフラとつなぐもの。課金,認証,顧客サービス・システムのインタフェースとしての役割を果たし,モバイル・コンテンツ・サービスの開発時間を短縮させる。そのほかにも同パッケージでは,セキュリティ・ツール,使用状況を測定する機能,サービス関連データへのアクセスを提供している。

 同社は,「Helix Universal Server mobile」と「Universal Gateway mobile」のミドルウエアも発表している。両製品は,既存のワイヤレス・デバイスとネットワークにストリーミング・ビデオとオーディオ・コンテンツを配信する。新版のミドルウエアは,新しいマルチメディア規格への準拠,各種マルチメディア・ファイルのサポート,ワイヤレス・ネットワークの有用性の変化に対処する技術を強化している。

 また,マルチメディア・プロバイダ向けには,モバイル・コンテンツのエンコーダ「Helix Mobile Producer」を発表した。同技術は,ストリーミング・ソフトを手がけるEnvivioと共同で開発した。同製品は,2004年第1四半期末にリリースされる予定。

 コンテンツ・プロバイダは,Helix Mobile ProducerとHelix Universal Server mobileを利用して,コンテンツ・プロバイダは,ニュース,スポーツ,音楽,エンターテイメントといった人気のコンテンツを第2.5と第3世代の携帯電話機向けにエンコードできるようになる。

 同社は,Helixモバイル・プラットフォームを使ったストリーミング・ビデオとオーディオ・サービスで35社を超える企業と提携している。

 また,同社は携帯電話機への「RealPlayer」の組み込みで米Sony Ericssonと提携したことを発表している。Ericsson社は,マルチメディア機能として3GPPに加えRealAudio,RealVideoなどを同社製の携帯電話機に組み込む。Ericsson社は「Helix Community」への参加も表明している。同技術の組み込みでは,フィンランドのNokiaと米Motorolaとも提携している。

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