欧州特許局(EPO)の技術審判部は,米Rambusのメモリーに関する欧州特許「0525068」を無効とする判断を下した。Rambus社が米国時間2月12日に明らかにしたもの。この判断について,同社は「ほかの欧州特許および米国特許には影響しない」としている。

 この特許は,「アクセス・タイム・レジスタ」と呼ぶ技術に関する一連の特許の1つ。EP0525068A1(「Integrated Circuit I/O Using A High Preformance Bus Interface」,EP0525068A4(「Integrated Circuit I/O Using A High Preformance Bus Interface」),EP0525068B1(「Semiconductor Memory Device」)の3件に分かれており,いずれも申請日は1991年4月16日。それぞれ1993年2月3日,1995年9月20日,200年4月19日の公開。

 Rambus社上級副社長兼法務顧問のJohn Danforth氏は,「残念な結果ではあるが,EPOの判断は大局的な状況の一部に過ぎない」と述べる。「この判断と関係ない米国特許については(成立に向けた)作業を進めており,その一部は2004年の5月と11月に米国で特許侵害訴訟を起こすために使う予定だ」(同氏)

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,欧州でRambus社に特許侵害訴訟を起こされた米Micron Technologyは,EPOの判断を歓迎しているという。Micron社はドイツInfineon Technologiesおよび韓国Hynix Semiconductorとともに,0525068特許の成立に反対する意見書をEPOに対し提出していた。「EPOの判断により,Rambus社が当社に対し欧州で起こしている多くの訴訟は終結するだろう」(Micron社スポークスマンのDave Parker氏)

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