インターネット広告の標準策定団体であるInteractive Advertising Bureau(IAB)は,米国オンライン広告市場に関する調査結果を米国時間2月12日に発表した。それによると,2003年第4四半期のオンライン広告収入は,前年同期から38%増の22億ドルになると推定される。通年では前年から20%増の72億ドルになる。

 同期のオンライン広告収入は,1996年に同調査を開始して以来,過去最高を記録する。これまでにインタラクティブ広告の収入がもっとも高かったのは,2000年の第4四半期の21億2000万ドルだった。

 IAB議長兼CEOのGreg Stuart氏は,「この結果にはまったく驚いていない。健全な営利原則をもとにオンライン広告業界は成長し,オンライン広告に注目してきた広告主にとって競争上の優位性を提供できるようになっている」と述べた。

 2003年12月にUniversal McCannが実施した調査結果によれば,オンライン広告の通年の売り上げ成長率は他の広告分野に比べてもっとも高かった。

 PwC社New Media Group部門ディレクタのPete Petrusky氏は,「売り上げの成長は,ブロードバンドの普及が一因となっている。検索を含む新しい広告形式の展開,オンライン媒体の健全性,実証済みの広告の効果などが組み合わさって,売り上げ成長が続くと考えられる」と述べている。

 調査はIABの依頼で,米PricewaterhouseCoopersが実施したもの。

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